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オレより不安を隠そうとするようにカラス天狗はオレの湯呑みにお茶を注いだ
きっと色々な言葉を選んでいるのだと思う
『オレ カラス天狗が好きだよ』
スルリと言葉が出た
カラス天狗の手が止まり湯呑みに半分も満たさない茶から湯気が立ち上る
勢いで言ってしまったが どうも照れ臭い
『お前も薄々分かってただろうけど…ちゃんと言っておこうと思ってさ』
カラス天狗は湯呑みに再び残りの茶を入れた
オレの目を見ようとしない
嫌われてはいない自信はあった
何度となく そういう反応もしめしていてくれていた
『オレは統主じゃないけど…お前が嫌じゃなければ お前に…チカラを分ける事は出来ると思う』
ツキヨミの血肉がアヤカシのチカラになるように
ツキヨミの体液そのものはアヤカシには絶妙な味をもたらすという…
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