カイの憂鬱Ⅱ

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『怖くないのですか?』   オレの唾液で濡れてまだ僅に艶めく唇が小さく尋ねた   『怖い?何が?』   カラス天狗は唇が離れてもなお身体を離さないオレの胸の中に居心地が悪そうだ   『ワタクシは…アヤカシです カイさんの…ツキヨミの味を知ったら…何するか分からないとは考えないんですか?』   オレは思わず吹き出す   『そんな事考えねぇよ』   オレは抱き締める腕に力を強める   『好きな奴に触れたいって思うのがオレ達 人間なんだよ…怖いなんて考えもしなかった』   カラス天狗は神妙そうな表情をして目を伏せる  
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