カイの憂鬱Ⅱ

33/33

1358人が本棚に入れています
本棚に追加
/742ページ
『オレ達双子はいつも比べられてた…小さい頃からそれがオレ達は嫌で嫌で堪らなかったんだ…で…一層見分けが着かない様に互いをより似せる事を選んだ』   同じ服を着 髪型も揃えた   話し方 仕草…全て意識して同じ様にしてきた   そうする事で周りは比べる事を諦める   でも…同じ様にしていても 要領のいいケイは周りから好かれた   『お前くらいだよ…最初っからケイと比べる事なく…オレだけを見てくれてた奴なんて』   オレを見て『ケイは?』と尋ねない奴はカラス天狗が初めてだった   『そんな奴 気になるに決まってる 好きになるちゃうだろ?』   髪を少し手に取り その髪に口付ける   オレはずっと そういう相手に出会う事を望んでいたんだ   オレだけを認め   オレだけを見つめてくれる相手を   心の何処かでずっと…探していた  
/742ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1358人が本棚に入れています
本棚に追加