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裸体を隠す事なくカラス天狗が水から上がる
満月に照らされた水の滴が光キラキラと妖艶に輝かせた
『今夜は大事な儀式…申し訳ありませんが お引き取り願います』
いつもの涼しげな声にハッとする
まだクソ寒い時に行水しやがって…風邪引いたらどうするんだ!
目のやり場に困りオレはジャケットを脱ぎカラス天狗に投げた
『お前いつの間に結婚しやがった』
カラス天狗はフッと笑みを浮かべた
『ワタクシの年齢をご存知でしょう?何を今更…』
カラス天狗は確かに100歳以上の年齢…結婚していても 可笑しくはない
しかしオレは何も聞いてなかった
『基本ワタクシ達の種族は一夫一妻制です でもワタクシの場合はカラス族の長の身 後継者を育成するために発情期のこの時期には数人の相手が選ばれます』
カラス天狗はオレのジャケットを握りしめ答えた
何年も何年も…繰り返された儀式
オレは全く知らなかった
いや…カラス天狗はいつもそうだった
オレが聞かなければ何も教えてくれない
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