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『そんなに毎年子供作ってんだったら…もう後継者なら十分育てたんじゃねぇの?』
カラス族としての掟ならオレが口出す事ではないのは頭では分かってる
それでも分かった以上…
例え大事な儀式だとしても…掟でも…カラス天狗が他のヤツと交わるなんて辞めて欲しい
オレは カラス天狗の握りしめたジャケットを手に取ると細い肩にかけてやった
冷たく冷えきったカラス天狗の身体
『より優れた後継者は…いつ出来るか分かりません…たくさん居る子達から いずれワタクシの跡継ぎとなるのです…』
そうして継がれていくカラス族の歴史
カラス族の長がカラス天狗じゃなくなる日なんて考えもしなかった
『だから…今までに何人も子供作ったんじゃん?その中にきっと いい後継者みつかるよ…カラス族の長としての役割は果たしたんじゃねえの?』
カラス天狗は首を静かに振った
冷たい水が髪にポタポタ…と滴り落ちた
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