カイの憂鬱Ⅲ

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『力…抜いとけよ』   しなやかな片足をあげ位置を確認する   『ぃ…ゃ…怖い』   オレは蕾に押し付けたモノを止めた   怖い?   『痛くない様にする』   確信はないが…気遣うつもりで言った   『違う……』   カラス天狗は手で顔を覆うようにして首を振った   『これ以上…理性を失ったら……ワタクシは…どうなるか分からない…ツキヨミの貴方を傷つけるかもしれない…』   理性を失うほど感じてくれてるのか   今晩はなんてラッキーな夜だろう   カラス天狗の一言一言がオレを恍惚とさせる   でもカラス天狗は分かってない…無自覚にオレを悦ばしてる事に気づいてない   『もうオレなんて とっくに理性なんて吹き飛んでる…理性なんて気にしなくていいんだ……オレだけを見てろ…オレだけを感じてればいい』   両手首を掴みオレはカラス天狗の顔を覗き込む   ようやく合わせてくれた視線   熱っぽくオレを見つめるカラス天狗は今まで見てきた中でも一番 妖艶で美しかった   『カイ…』   求める様に唇が小さくオレを呼ぶ   唇を重ねた   吸い付いてくるカラス天狗の柔らかな唇   蕩ける様に舌を絡めあい   甘い唾液を吸った   甘美なキス 何度もしたキスとは違う心通わせるキスだった
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