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オレは 有りのままの成り行きをキャサリンに話した
アヤカシと人間の恋愛はさほど 珍しくはない
ただオレがツキヨミである事
しかも幹部で
相手はアヤカシの中でも四天王と呼ばれる種族の長 カラス天狗である事
それはアヤカシにしてみれば皇族に手を出す政治家の様な扱いに等しい
キャサリンは酒の肴にする様に愉しげにオレの話を聞いていた
ケラケラ笑い
バカだのお子ちゃまだのオレを罵る
『アンタは退屈しないねぇ 人間もツキヨミも大嫌いだけど アンタはバカすぎて嫌いになるのも嫌になる』
扇いでいた扇子をキャサリンはパチッと閉じた
キャサリンはオレのネタを話したからといって助言などしない
ただ笑って笑って自分が満足すると終わり
それがオレには逆に心地よかった
話をした事で何故かスッキリする
キャサリンに 笑い飛ばして貰える事で深い悩みも些細な事に思える
知ってか知らずなのか…キャサリンの真相は定かでない
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