カイの憂鬱Ⅴ

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『言った通りだろ カラス天狗の手紙みて コイツに隙ができた』   シュウの声がボンヤリとした意識の元で聞こえてきた   カラス天狗の手紙……あれは罠だったんだ   いや…最初からオレは騙されていた   人懐っこい…シュウに   オレはゆっくり目をあける   『あ~あ もう目が覚めちゃった』   シュウはオレの目の前に座り込んで笑っていた   『残念だったね カラス天狗に会えなくて』   『お前…』   身体が動かない   何かの植物の蔓が全身に巻き付いている   刺のついた蔓が身体を動かす度にギリギリと全身をしめつけた   『ダメダメ動いたら…大切な体液がなくなっちゃうでしょ?』   クラリとする 巻き付いた刺によってずいぶん出血している…蔓はシュウの指先から延びていた   『アヤカシ…?』   シュウはアヤカシだったのか?いや…妖気は全く感じないぞ…   『中身はね…人の皮を借りてるっていうか寄生してるんだぁこの身体に♪そのお陰で日中も歩けるし妖気も漏れない』   無邪気に微笑むシュウ   その後ろで佇むテンマ   『あっテンマには寄生してないよ コイツは餌だから 何でも言うこと聞くボクの下僕』   テンマ…テンマの心中はすぐに理解できた   愛するシュウがアヤカシに寄生され…逆らう事など出来なかったのだろう  
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