カイの憂鬱Ⅴ

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俺は変態かもな   他人から見たらとんでもないバケモノの姿を見えるだろう今のカラス天狗の姿   だけど俺は今まさに俺を食らおうとするバケモノが眩しいくらい美しいと思う   『お前らは黙って見てろ』   新たに巡りあった妖精達がいつの間にか現れ事の顛末を見守っていた   『見られるのも悪くない』   完全変化を遂げたカラス天狗は肉体はさほど大きさが変わってる訳ではない   深く食い込んだカラス天狗の爪が厄介だが 俺の上にのし掛かるカラス天狗を振り払い一気にカラス天狗を逆に組敷く   それは思った以上に容易だった   出会った頃はカラス天狗の足元にも及ばなかっただろうチカラの差は   いつの間にか形勢逆転をしていた   カラス天狗は発狂しながら牙を剥き出し羽根から無数の毒針を飛ばす   『効かねぇよ』   俺は毒針一本一本を月のチカラで跳ね返した   暴れるカラス天狗の首元を掴み更に身体を反転させ うつ伏せになるように床に押さえ込んだ   チカラが有り余って床に亀裂が走る   完全変化したカラス天狗なら このぐらいの衝撃は平気だろ  
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