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「終わりました~」
フラフラと2人の元へ行くと、かずがノートパソコンを立ち上げていた。
蒼くんは眠たそうに様子を見ている。
俺は黙って椅子に腰をかけた。
「いい?蒼、これは新婚旅行じゃないんですからね?」
かずは俺を睨みながら、釘を刺すように蒼くんに言った。
蒼くんもまた"愁くんの嘘つき"ってな感じの目で俺を睨む。
…ここには俺の味方はいないんですか?
泣きそうな俺に、かずはパソコンの画面をやった。
「あいつらの拠点はアメリカですが、どの州かはまったく検討がついてません。」
画面にはアメリカの地図。
アメリカは広いからな~、検討がついてないのはヤバいんじゃない?
「それじゃあ復讐しようもないじゃん」
かずは黙って頷いて、パソコンの画面を切り替えた。
そこには、ひとりの男性の写真が…。しかも日本人だ。
「アメリカのニューヨークで活動している探偵さんです。」
探偵?
じゃあもしかして
「もしかしてこの探偵さんに捜索の依頼を?」
「ええ、ただし時間短縮のため俺ら自身でも捜索は行いますけど。」
そう言って、パタンとかずはノートパソコンを閉じた。
「すでにこの探偵に依頼は通してあります。それとアパートも借りました。」
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