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「ほらかず、完璧じゃない?」
俺は早速朝一でかずにコピーした紙を渡した。
「蒼くんと自由の女神もみたいねぇーなんて盛り上がっちゃってさぁ」
そりゃあもう楽しかったのなん…
「っわ!?」
ぐしゃぐしゃに丸められた紙を、かずに投げつけられた。
顔に直撃っ…じゃなくて、
「かず何なんだよ?」
かずは冷たい目で俺を睨んで、ため息をついた。
「その言葉そっくりそのまま返してやりたいですよ。」
「え?」
「これはあんたらの新婚旅行じゃないんですよ?目的は復讐すること。それなのにこんな高級ホテル計画してきて…
ったく一週間、二週間の話じゃないんですよ?
数ヶ月も向こうにいることになるんです」
…俺ってバカか。
すっかり目的忘れてた。
恥ずかしくなって、慌てて紙をゴミ箱の中に入れた。
「…ごめん」
「いいですよ、ちゃんと話さなかった俺も悪いですから、」
なんとも情けない気持ちになった。
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