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─2─
「オラオラ!早く逃げねェとやっちまうぞ!」
「ひ、ひぃい!」
「ヒャハハハハ「ハハ「ハハハ!!!!」
沖弐は現在銀行強盗の犯人を追っていた。
もちろん生徒会である以上人殺しなんてできる筈がない。
だからひたすらに追い詰めながら、沖弐は相手が次世代魔術を使ってくるのを待っていたのだ。
通常、2人一組で見回りをするが、もう1人は遥か彼方で沖弐を追っていることだろう。
「くっ…………!」
と、細い路地裏が行き止まりに入る。
「アァ……もう終わりかァ……短い人生だったなァ」
「くっ………ど、どうしてお前が……く、くそぉおぉお!!」
(キターーーーーーーーー!)
男から放たれた炎は沖弐を燃やそうと目の前に迫る。
「ヒャハハハ!!こうなりゃ正当防衛だよナァアァアア!!!」
しゃきん!と沖弐は手を構えた。
このために一週間練習してきたのだ。
決める!
「消えろォ!!ザルツカートッフェルン!!!!!」
「ひ………!」
ザンッ!と空気を引き裂く音がして、炎が消え、そして路地裏の『行き止まり』が消え失せる。
そう、沖弐は『男以外全て』をかき消したのだ。
カギヅメ状に地面は抉られている。
「ヒャハハハ「ハハハ「ハハハ「ハハハ!!!!」
「あ……………ああ…………」
(格好いい!!俺すげぇ!)
沖弐は笑っているのだが、そんなものは相手からすれば死に神の微笑みと同じことである。
「アァ?かっこよくて動けませんってか?だろうなそうだろうな!ヒャハハハ!」
「ひぃ………………」
「オラ!もういっちょいくぜ!ザルツ─────」
スパァアァアアアアン!
と
沖弐の頭にスリッパがぶつけられる。
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