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「何してるんすか!沖弐!」
「……ッテメェ!!見てわかんねぇのか?逮捕したんだよォ!」
「いくらなんでもやり過ぎっすよ!」
と、沖弐の頭を叩いた張本人、磯崎七が現れた。
新東京学園の規定制服に、白いハチマキ、赤のリストバンドをつけ、黒髪はポニーテールにしている。
「チッ………!」
「ほら~、もう完全に脅えてるじゃないっすかぁ」
「正当防衛だ」
ぶつぶつ言いながらも沖弐の気分は高揚していた。
なぜなら!
そう!
しっかり格好よく決めれたからだ!
ザルツカートッフェルン!
ザルツカートッフェルン!
「って、沖弐、どうしたっすか?」
「アァ?なんでもねェよ、それより見回りはもういいだろ?」
「……そうっすね。もう交代しても大丈夫っす」
「じゃあなァ」
くるん、と踵をかえした沖弐に向けて彼女は口を開いた。
「沖弐!」
「アァ?」
「これからもよろしくっす」
差し出されるのは小さな手のひら。
(そうか秋月!これが技名を叫ぶ効果なんだな!)
「………チッ…、言われなくても当たり前だ。ばーか」
「……えへへっす」
「…………………」
その夜、沖弐が興奮で眠れなかったのは言うまでもない。
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