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─3─
むー、と少女は唸っていた。
そこには同じように悩んでいる少年が1人と、一応悩んでいる仕草を見せてはいるが、何を考えているかは全く分からない少女がいた。
つまり、現在は3人でそれぞれ思い悩んでいるというわけである。
「………ねー」
と、そこで、黒のラバースーツを着ている少女、肩まである栗色の髪を揺らしている少女、何より生意気そうな少女が口を開いた。
「沖弐さ、絶対何かあったよね?」
少女の名は絶対劣化指揮権【ミオ・インフェリア】という名前だった。
沖弐の妹である柊美桜のクローンである彼女は、ラバースーツ──というよりかはまだ装飾がつき、ロボットアニメでみるような、体にピッタリ密着服を着ていた。
「なんだか態度がおかしいの」
とそれに頷いたのは、1人のハーフツインの少女。
条貴笠松学園の制服に身をつつみ、うんうん、と頷いていた。
「確かになんかおかしいぜ」
最後に同意したのは、茶髪にだらけた服装にゴールドアクセサリーと不良まっしぐらの前田淳だった。
そう彼らは『ブラック』と呼ばれる、魔技術都市内の小さな部隊、チーム、カラー。
そんな3人は集合時間より早めに集まって会議をしていた。
議題はもちろん、沖弐と佐賀浦についてだ。
「この前なんてアイツ、俯いて何か言ったかと思ったら、いきなり笑いだしたのよ。キャハ、まじキモイ☆」
「沖弐は確かに最近おかしいの。どことなく好戦的で、でも本気じゃなくて」
「前なんかわざわざ相手の蹴りくらってたしぃ、ついに頭おかしくなっちゃったかにゃー?ま、元からスクラップ☆かな」
と、そこで「そういえば」と東雲が口を開いた。
「最近やたらと佐賀浦と仲いいの」
「……あぁ、だな。前も2人でなんか話してたぜい」
考えてみれば妙な話だ。
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