「消えろォ!!ザルツカートッフェルン!!!!」【完結】

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「佐賀浦とは顔合わせる度ケンカしてたのに……なぁ」 前田はため息を吐く。 分からない。全く理解を得なかった。 それに、というわけではないが、確かに最近の沖弐と佐賀浦はどこか好戦的で、前線にでるときには、いつも2人で出るようになったのだ。 普段なら前田が間に割り込み2人の仲を取り持つぐらいだったのに。 「でも仲がいい事はとってもいいことなの」 「ま、まぁ……確かに沖弐もあんまり怒らなくなったしぃ」 「うん、なの」 絶対劣化指揮権【ミオ・インフェリア】はどこか寂しげに、東雲は嬉しそうに頷く。 だがそんななか、前田だけはどうも納得がいかなかった。 (春一の影響か……………?倒されて、春一をライバル視してんのかもだぜ) もしかしたら、沖弐は春一を倒そうと更なる力を求めているのかもしれない、と前田は思った。 それはマズい事だ。 現状なら、まだチーム内の違和感で済むが、これは遊びじゃないビジネスだ。 「…………………」 「キャハ☆どしたのよ、リーダー」 「うんにゃ、なんでもないぜい」 前田はそう言いながらも携帯電話を手にする。 もし沖弐の狙いが春一だとしたらマズい。 「俺は────」 バァアン! 「ワリィな、遅れた」 「うぃーす、東雲ちゃん、ミオちゃん、久しぶりー」 前田の言葉を遮るかのように問題の2人が登場した。 前までなら沖弐と佐賀浦が2人して拠点にくるなどは有り得ない事だった。 「前田ァ、どうしたんだよ?」 「……いや、なんでもないぜ」 沖弐と佐賀浦はドカッとソファーに座る。若干だが沖弐は前田を気にしていたものの、すぐに佐賀浦と談笑を始める。 「佐賀浦、テメェの方はどうだ?」 「あぁ?調子いいぜ、世界が変わって見えるわ。マジで」 「クックッ…だよなぁ」 「おう」 頬を緩ませ合う2人を見て前田は思考をはりめぐらす。 が、次の一言で、前田は確信と杞憂を得た。 「ザルツカートッフェルン……クックッ……俺に相応しい秘奥義だわ」 「お前が命名したスティロ・ディアルキアスも最高だぜ」 (──────!) 話しをよくよく聞くと、どうやら2人で自分に技名をつけたらしい。 とりあえず格好いい言葉、うん。 「キャハ☆沖弐、なんの話をしてんの?」 「私も話に混ざりたいの」 盛り上がる2人を見て、ミオも東雲も興味津々で2人を見る。 満足そうに沖弐は笑うと、雄弁に語ってみせる。
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