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世界は不平等だ。
僕はそう思う。
権力や地位など、この世界で生き残るための力を有する人間は、己の思うままに世界に生きている。自分の 命を世界に繋ぎ止めている。
逆に、生き残るための力を持たない人間は、己自身の命も、ましてや意思すらも力を持つ人間に支配されている。全て、上の人間の思うがままだ。
簡潔に言えば、力があり裕福な人間と無力で貧乏な人間。
これを不平等と言わず、なんと言えばいい?
力ある人間は己の力を過信し、物事すべてを力で解決しようとする。
地位ある人間は、自分を崇めさせようとする。
権力ある人間は、権力を存分に使い、自分の思い通りの世界を創ろうとする。
それは〝創造〟することから生み出される〝欲〟だ。
人間は自分の思うがままに〝創造〟し、それを叶えようと〝欲〟が表立つ。
〝欲〟を満たすために生きているようなものだ。
そしてその〝欲〟は、〝創造〟する限り満たされることはない。
人間とは、そういう単純な生き物だ。
じゃあ、すべての人間が〝創造〟のままに〝欲〟を満たせるかと言えば、答えは否だ。
〝創造〟して〝欲〟が満たせる裕福な家庭に生まれたなら、一時的ではあるが〝欲〟は満たされる。
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