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『今までありがとうございました。』
わたしは今までお世話になった施設のおばさんに頭を下げる
「カスミ、頑張ってね。私たちはずっとあなたの味方よ……たまには遊びに来なさい」
そういっておばさんに抱き締められた
おばさんは両親がいない私を
優しい愛で育ててくれて
私のたった一人のお母さんだ
抱き締められながら、涙を我慢していると
施設の子供達が抱きついてきた
「カスミお姉ちゃん、私のことわすれないでね、私が大人になってここを出たらお家に遊びにいくから!!」
「俺も遊びいくから!!みんな連れて」
『みんなっ……っ待ってるね…』
おばさんは抱き締めるのをやめて、わたしの涙をハンカチで拭いてくれた
「カスミ泣かないで……、今からあなたは一人で生きていくのよ…」
『……っはい』
「さぁ行きなさい」
私はおばさんにそっと背中を押され長年お世話になった施設に背を向け歩き始める
さよなら
大好きなおばさん
大好きなみんな
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