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1915年(大正4年)11月初旬のある夜明け前、開拓村の池田家に巨大なヒグマが姿を現した。飼い馬が驚いて暴れたため、その時の被害はわずかなトウモロコシに止まった。村は開拓の端緒にかかったばかりの土地でもあり、このような野生動物の襲来は珍しいものではなかったが、主人・富蔵はぬかるみに残った足跡の大きさに懸念を持った。
そして11月20日、ふたたびヒグマが現れた。馬への被害を避けようと、富蔵は在所と隣村から2人のマタギを呼び、3人で待ち伏せることにした。そして30日、三度現れたヒグマに撃ちかけたが、仕留めるには至らなかった。翌朝、次男・亀次郎を加えた4人で鬼鹿山方向へ続く足跡を追い血痕を確認したものの、地吹雪がひどくなりそれ以上の追撃を断念した。
これが後に大変なことになる
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