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昼、オドがいつものように飯を食べに戻ると、土間の囲炉裏端に幹雄がぽつんと座っていた。ふざけて狸寝入りしているのだろうとオドはわざと大声で話しかけながら近づき、幹雄の肩に手を掛けてのぞき込んだ。その時、オドは幹雄の顔下に付着した血の塊と、何かでえぐられた喉元の傷を見つけた。側頭部には親指大の穴が穿たれ、幹雄はこと切れていた。オドは恐怖に震えながらマユを呼んだが何の応答もなく、ただ薄暗い奥の居間から異様な臭気が漂うのみ。ただならぬ事態に家を飛び出したオドは下流の架橋現場に走った。
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