ヨレヨレパンツ

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鉤裂きを上手く誤魔化し、彼に渡すと、彼はとても喜んでくれた。 「お前スゴい! お前天才!!」 ほんとに小さい子供のように喜んでくれる。 私は嬉しくなって、はしゃいでいる彼を眺めていた。 そこに、 ゴロゴロゴロ 空が怪しい音を立てて、不機嫌な顔の不吉な雲を連れて来た。 夕闇が迫る空をその雲が覆い、いつもよりも早く闇を呼び寄せている。 私が空を見上げていると、 「ここにおったんか! 捜したぞ!」 そんな声と共に、彼のパンツと同じ模様のキャミソールを身に付けた、女性なら誰もが羨むプロポーションを持つ女性が現れた。 「母ちゃん!!」 彼のお母さんらしい。 何人も産んでるのに体型が崩れてないのは、やっぱり鬼だからだろうか? そんな的外れな事を思う。 彼は母親を見るなり、 「あのね、あのね、この人間がね」 きっと私を紹介しようとしてくれたのだろう。 しかし、 「なんだ。飯にするとこだったのか? でも骨が喉に引っ掛かったら痛いからな。母ちゃんが骨を取ってやるから待ってろ」 母親はそう言うと、彼も私も声を発する暇もなく、私を捕らえていた。
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