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次に気が付いた時、信じがたい事に俺はお城のような所にいた。
目の前には玉座に座り白髭を生やし王冠を被ったいかにもワシが王様ですという男がいた。
ただ頭の比率が大きく3、4頭身程しかない。
「AIWLの世界にようこそ。ワシはこのゲームのサポートキャラ、王様と呼んでくれ。」
表情を殆ど変えず喋る王様。
AIWLって何だ?
何かの頭文字か?
それよりここはどこだ?
壁も置いてある物も王様自身も絵のような印象を受ける。
「聞きたい事があれば聞いてくれ。」
「各能力値の説明か、次のレベルUPまでの経験値なら教えてやろう。」
「いや、そんなのどうでも良いからここがどこなのかを教えてくれ。」
訳のわからない事を口走る王様に俺は頼んだ…が、
「説明はいらぬか、ならこれから旅にでるが良い。」
「おい、耳遠いのか?」
「100Gと錆びた剣、それとこのケータイを持って行け、旅の役にたつハズじゃ。」
「……。」
喋っても無駄な気がしてきた。
「このケータイはお主のレベルや各能力値、マップなどを示してくれる他離れた所にいる他のプレイヤーにメールを送る事ができる優れものじゃ。」
「まぁ他のプレイヤーに直接あって登録する必要があるがの。」
「それでは頑張ってくれ。」
コイツは【はい】と【いいえ】ぐらいしか認識できないのではないだろうか?
疑問に思った俺は王様の耳元で、
「アホー。」
と叫んでみた。
「お主の次のレベルまであと10の経験値が必要じゃ。何か説明が聞きたいのか?」
…ああ、通じていなさそうだ。
俺は何だか虚しい気持ちでいっぱいになった。
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