-プロローグ-

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今日も、世界はいろんな色で溢れている。 だけど、今日も俺の目に映る世界は変わらない。 いろんな色で溢れかえっているはずのこの世界も、俺の目には黒と白のモノクロにしか映らない。 もし、黒と白以外に目に映る色があるとしたら、その色はお世辞でも綺麗とは言えない様な赤色―…。 俺達にも流れている赤黒い血の色だ。 いったい、いつから俺の世界はこんなに汚くなったのだろう。 俺でも、この世界が凄く綺麗な色で溢れていた頃があった。 その頃は、何もかもが楽しくて仕方がなかった。 たが、ある日を堺に俺の世界はモノクロになった。 黒と白以外に残った色は、赤黒い血の色だけだった。 そんな俺に、またあの頃の様に目に映るもの全てが、綺麗な色で溢れる事があるとは思えなかった。 あの男に出会うまでは―…。
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