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後ろから声が聞こえて振り向くと、そこには幼馴染みであるアイツの父親が優しく微笑んでいた。
『おじさんが、連れてってくれんの?早く…早く行こう!!じゃないと、お父さんとお母さんが…お父さんとお母さんが!!!』
「リュウくん、落ち着いて。おじさん達と病院に行こう?」
『うん…。』
そして俺は、おじさんとおばさんと幼馴染みの4人で病院に向かった。
日が落ちて、月が出てもまだ手術中のランプは光ったままだった。
ランプが消えた頃には、俺はいろんな事がありすぎて疲れて寝ていた。
「先生!あの子の親は…黒神さんは!?」
その声で目を覚ました俺は、先生とおじさんの会話を聞いてしまった。
(あ…。おじさんと先生が話してる…。手術終わったのか?お父さんとお母さんの事話してる。)
「あの子の親は…黒神さんは!?」
「私達は最善を尽くしました。でも…残念ながら。」
「そんな……。」
会話を聞いていた俺は、思わず飛び出した。
そして、先生の服の裾をおもいっきり引っ張った。
『先生、お父さんとお母さんは?』
「リュウくん。…起きていたのかい?」
『さっき言ってた「残念ながら」って何が残念なの?お父さんとお母さんは、助かったんだろ?ねぇってば!?』
俺は、気持ちの全てをぶつけた。
だが、おじさんの顔や先生の顔が、悲しそうな顔をしていた。
「リュウくん。落ち着いて…。君のお父さんとお母さんはね…」
俺は目の前が真っ暗になるのがわかった。
次の瞬間、涙を流していた。
俺は、声が枯れるまで泣き続けた。
その間おじさんは、何も言わずに俺の背中を擦ってくれていた。
数日後。犯人は捕まり、そしてお父さんとお母さんの葬儀が行われた。
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