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甲板には、既に多くの人間が整列していた
辺りを見渡せば、他の艦艇の甲板にも、整列するルーウェイ軍の部隊が伺える
クロイツ達特務小隊は最前列に整列し、合流の時を待った
そして間もなくして、南の海に、艦隊の姿が見えた
「青地に金の星11個で出来た環………あれは、反オルシアの環だぞ!!」
艦橋でその艦隊を、望遠鏡で見ていたのであろう若い士官が、興奮気味に叫んだ
反オルシアの環
南部諸国家11ヶ国の大連合
その連合が軍を出したとなれば、興奮もしよう
「反オルシアの環………にしては、明らかに艦隊が脆弱な気もするが」
誰かがそう呟く
「致し方ないだろう。11ヶ国の連合とは言っても、海軍を保有するのは6ヶ国。その内2ヶ国は大陸の反対、西側にあるんだ。自国防衛の最小限の兵力を残しつつ、援軍を出すとなれば、あれが限界だろう」
それに答えた声、それが正論だ
セレネシアやリエノールと言ったルーウェイの友好国は海軍を保有している。その他で大陸東部にある海軍保有国家といえば、リガート、ネヴェルランスの2つだけ。しかもどれも、ルーウェイから見れば遥かに弱小と呼ばざるを得ない軍備しか持たないのだ
それだけ聞けば、頼りない援軍だと溜め息の一つも尽きたくなるだろうが
「いや、よく見るといい。確かに海軍力は脆弱だが、陸戦兵力は期待してよさそうだ」
「「え?」」
クロイツの呟くような声に、誰ともなく反応があった
クロイツは人並み外れて目が良い
それ故分かったのだが
「あれは………なんだ、あの揚陸艇の数は……」
「あの輸送船みたいな船も…ヘリを甲板に積んでるぞ…」
そう、陸戦部隊を収容していると思しき艦艇が、海戦の主力となりえる艦艇の数を遥かにしのいでいたのだ
「反オルシアの環が動いたというのも、あながち嘘でもあるまい。ただ、海軍を持たぬ国から戦力を集めた結果、あぁいった艦艇を動かす方に海軍の兵力を割かざるを得なかったのだろう」
同じ陸戦部隊であるクロイツには、南からやってきた彼らが、まさに白馬の騎士にさえ思えた
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