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そして間もなくして、南からの友軍艦隊は、甲板上に並ぶ兵士達が見える程に接近した
そして、恐らくは無線通信だろう音声が、ルーウェイ艦隊のスピーカーから流れ始める
《連合軍の方々、ようやく合流出来ましたな。こちらは南部連合軍艦隊旗艦、ヴィルヘルム。これより、我々は貴軍の指揮下に入る。戦場までエスコート願いたい》
《こちらは連合軍艦隊旗艦、フレースヴェルグ、貴軍が参戦してくれたことに、心より敬意と感謝の意を表したい。これより、貴軍に我が艦隊を追従願う。虎の子の陸戦部隊を極力損なわぬよう、しっかりエスコートして差し上げましょう》
《ご厚意に心より感謝する。ではこれより、貴艦隊に追従する。大陸最強と名高いルーウェイ艦隊の背を追えること、我々の誇りと致します》
その通信を最後に、合流した艦隊は隊列を変え、ルーウェイの艦艇後方から追従する形を取った
合流した艦隊も含めると、連合軍艦隊の艦艇数は、もはや数えるのが面倒なものとなる
「……これが、アレン大将の置き土産…か」
なんとなく、そう呟いた
つくづく、彼がどれだき偉大な存在であったか、思い知る
「子に与える土産としては、少々、規模が桁違いですな」
「まったくだ…」
隣に並んでいたヴィクトルの言葉に、思わず苦笑を浮かべる
あのデータといい、この艦隊といい
どれだけ重い物を遺していけば気が済むのか
『ちょっとばかり……無責任じゃありませんかね、大将閣下殿』
そう思いながら空を見上げると、丁度、雲の切れ間から眩い太陽が顔を見せた
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