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無事、友軍艦隊との合流が完了し、皆艦内に戻ろうとした時だった
「ルーウェルト中佐、少しいいかね」
シラキ大佐が、話しかけてきた
「はい、いかがなさいましたか?」
「いや、何ということはない。今合流した友軍の陸戦隊が、自分達を指揮する貴官に挨拶したいそうだが、どうする?」
「なるほど……」
それはそうか
彼らのうち、最精鋭の部隊は、連合軍の要塞突入役としてクロイツの指揮下に入るのだ
自分達の指揮官の顔すら知らないのでは、話になるまい
「了承しました。こちらから出向くと、先方へお伝え下さい」
「分かった。なんなら、呼び寄せてもよいのだが」
「いえ、我々は今まで休息をとっていましたので、少し体を動かしたいと思っていたところですので」
「ふむ……なら構わんが。では、ヘリを飛ばす。連れて行く面子は?」
「一応、総員を連れて行きます。同じ戦場を歩む者同士、顔合わせくらいはさせておこうかと。それに、恐らくは向こうも勢揃いしているでしょうから」
「そうだな…それがいいだろう。ではすぐにパイロットに命令を出しておく。小隊員を集めておいてくれ」
「はい。では、ただちに」
そういってからクロイツは敬礼し、踵を返した
「隊長」
「あぁ、すまんが、全員を甲板に待機させておいてくれ」
「分かりました」
隣に付き従っていたヴィクトルに指示を出し、クロイツも、ヘリの待機している後部甲板に向かった
「隊長も、いよいよ大部隊の司令官ですね」
「よしてくれ。俺には、荷が重い。こんなのはこれっきりでいい」
「ですが、上の方々がそれを望まないんじゃないですか?」
「そんなことはどうでもいい。言っただろ?、他人に決められた人生なんぞ真っ平だ、と」
「…それもそうですね」
隣を歩くエリスと、そんな会話をしながら
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