舞踏会~ラストダンス~

19/50
1253人が本棚に入れています
本棚に追加
/156ページ
ラタトスクに着艦し、甲板に降り立つと、その巨大さがよく分かった 「フットボールくらいなら余裕で出来そうだな」 「やりますか?」 「いや、ヘリが邪魔だ。全部海に落としていいなら、話は別だが」 そんな下らない会話をしているうちに、次々とヘリが着艦し、特務小隊の面々が整列していく そこへ 「ルーウェルト中佐、ようこそラタトスクへ。私が本艦の艦長、ゲンジョウ・シラキです」 海軍大佐の階級章をつけた男がやってきた 「始めまして、シラキ大佐。本官はこの特務小隊…いや、合同統合戦闘指揮部隊の指揮官、クロイツ・ルーウェルトと申します。以後、お見知り置きを」 「君の名はよく耳にしたよ。なにせ、あのアマギ大将が海軍に欲しがるほどらしいしな」 「恐悦です。しかし、シラキ大佐もアマギ大将も、東部出身なのですね」 「あぁ、まぁ海軍の本拠地が東部だからね。この国に海は東側にしかない。東部出身の者以上に、海の扱いに慣れた者も、そうはいまい」 「なるほど、確かに、陸軍や空軍に比べ、海軍には東部系の名が多いですね」 「そういうことだ。それより、君には直ちに艦隊旗艦、フレースヴェルグに向かって貰いたい。お偉方の軍議が始まるはずだ、君は、この作戦の中枢を担う一人、参加に是非はあるまい?」 「えぇ、分かりました。それでは直ちに。それと、部下達を案内しておいては頂けませんか?」 「分かってる。そこにいるコウサカ少尉が彼らを案内する、貴官は戻り次第、合流するといい」 「お心遣い感謝致します。それでは、また後程…………中尉、付いて来い」 「はい」 クロイツは、副官のエリスだけを連れて、一度ラタトスクを離れ、戦艦フレースヴェルグへと向かった
/156ページ

最初のコメントを投稿しよう!