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「制空権が取れねば、戦略爆撃機隊は島に接近すら出来ん。友軍艦隊の支援すら困難になる……」
ラーゲルクヴィストが唸る
まぁ気持ちは分かる
ルーウェイが動員出来た航空戦力は、敵に数でやや劣る。だが機体性能という点でそれを補える筈だった
その目測が外れたのだから、頭を抱えるのも無理はない
クロイツは、気休め程度ではあるが、ラーゲルクヴィストを励ます言葉を発した
「閣下、敵との戦力差については、最早如何ともし難いかと。ですが、我々と彼らとでは、決定的な差があります」
「…………なんだね?」
「我々が手に入れた彼らの情報、それにあった戦力が、敵の全てです。ですが、我々は違う。我々には、まだ友軍がいるはずでは?、確かに、我が国が独力で彼らと争うとなれば、勝利は困難でしたでしょう。ですが、そうはならないはずです」
クロイツは一呼吸入れてから、たたみかけた
「彼らはクラウセンという強大な友軍を失いました。しかし我々には、南の友好国セレネシア、リエノールを始めとした、かつての「反オルシアの環」がついているはず。さらに言えば、北方の雄、ヴィスチオもまた、援兵として来てくれると、私は信じております」
反オルシアの環
大陸戦争後の、オルシア大遠征と呼ばれる大陸南部での戦争末期。強大化するオルシア連邦に対抗するために生まれた、大陸南部諸国家11ヶ国による大連合
そのうちの何カ国かは、ルーウェイと非常に緊密な関係にある
それを利用していないはずがない、あのアレンが
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