舞踏会~ラストダンス~

33/50
前へ
/156ページ
次へ
それからクロイツは、ブリーフィングの内容を彼らに伝えた後、自らもソファーに深く腰掛けて、休憩の姿勢をとった エリスは、クロイツの隣に座っている 「隊長、質問よろしいでしょうか?」 「構わんが、私とエリスについては帰還してからと言った筈だ。それ以外ならばいいが」 「………そう出鼻をくじかれると、なかなか厳しいです」 「ヴェデルニコフ中尉、貴官が私の信頼を裏切ることはないと思っていたのだが?」 「それは勿論であります。本官は隊長の命とあらば、例え元帥閣下であろうと敵に回します」 「それは……あまり洒落になってないが…」 事実、敵には我が陸軍元帥がいると思われる訳で 「ヴィクトル、あまり隊長を困らせるもんじゃない。それでなくたって、あんな奥さん抱えていらっしゃるんだから」 「ハイゼンベルク中尉、発言の真意を問いたいのですが?」 「分かっておいででしょう、副官殿なら」 ハイゼンベルクは裏社会を少なからず知っているはず。つまり、エリスの名も 「やめておけ、エリスは時として私でさえ投げ飛ばす。お前を亡き者にする程度は躊躇わんぞ」 「え?……投げ飛ばす?隊長を?え?」 「隊長、今その話をなさらなくとも。ルフェーブル中尉が混乱してるようですし」 「いえ隊長!!詳しくお聞かせ下さい!!事と次第によっては、弾劾します!!」 「エリスの言うとおりだったな、不用意な発言だった」 クリスが食い付かない訳がなかった
/156ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1254人が本棚に入れています
本棚に追加