第1章

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「久光!てめぇは何回同じ事を言わせんだ?!あぁ?頭おかしいのか?そんなにシンナーが好きなら、頭から被って死んじまえよ!」 そう俺は怒鳴られた。 誰に? 母親である。 女がこんな荒い事を言うか? 浦安は、昔から漁師街だから、男も女も気が荒いのだ。 そして気も短かった。 俺はこの日、二度もアンパン(シンナー)を見つかったのだ。 一度目は、朝起こされた時に、枕元にアンパン入りの小瓶を置き忘れていて見つかった。 二度目は・・ 「久光っちゃんおはよう!」 町山勇二が云った。 こいつは、俺のパシリである。 「おお!勇二、ヒサヤで焼そばとコーラ買ってこいよ」 と、俺は町山に金を渡した。 「はい!大盛ですか?」 「おう、大盛な!」 町山は、金を持って走り出した。 ヒサヤとは、堀江中学校の側にある駄菓子屋である。 俺が毎日愛車のスズキGT380CCを停めてるとこである。 俺の家は、魚介類の問屋をしていて、俺も学校を休んでは家業を手伝い、毎月17万ももらっていたので、周りよりは、多少金はあったので、欲しい物は、買うか、もしくはパクって(盗んで)来た。 俺は入学早々、三年に呼び出され、焼きをもらった。 なぜなら、小学6年のときである。 家の前を通る、髪の毛を染めたツッパリに 「オカマ野郎!」 と、俺は毎日からかっていたのだが、そいつらが、今の三年だったのだ。
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