第1章

5/62
前へ
/146ページ
次へ
入学早々、俺の教室のベランダに三年がズラリと並んだ。 俺を指差し 「あの野郎だよ、あっ!髪の毛まで染めやがって!」 等と吠えている。 俺は教師が助けてくれるものと安心しきっていたが、担任の教師が 「大塚君、なんか用事があるようだから、行ってきなさい・・」 「はぁ?」 俺は目が点になった。 (察しろよ馬鹿教師が!) 行くしか道は無さそうだった。 仕方なくベランダに出ると、いきなり襟首を掴まれ、一路屋上へ・・ 「てめえ、オカマってからかっただろ?!それに何だその頭は?」 三年の長島が云った。 「染めたんですけど・・」 と俺。 「はぁ?誰に断って染めてんだ?こら!」 腹に重い蹴りが入った。 「ぐっ・・」 それが合図だったのか、全員に袋にされたのだ。 (くそ、今に見てろよ!) そう心に誓ったものだ。 「はい、久光っちゃん!焼そばとコーラ」 町山が帰って来た。 「おうサンキュー」 俺は机に、焼そばとコーラを出して食べ始めた。 当然授業中である。 教師は何も言わなかった。 言えば結果は見えてる。 やるまでだ。 腹が満腹になったので、ベランダに出て煙草に火をつけた。 学校の横が、富士見交番で、見知ったお巡りがいて、煙草を吸ってるとこを見ると、大声で 「こらぁー!大塚!煙草吸ってんじゃねぇ!」 っ怒鳴るのだ。 しかし、今日は居なかったようだ。 一服が終わると、俺は勇二を連れ屋上へ向かった。 アンパンを吸いにである。 屋上へ出る扉は鍵がかかっていて、窓の鍵は針金が巻いてあった。 俺は、町山に 「勇二、箒を持ってこいよ」 「はい!」 町山がダッシュする。 直ぐに、一本の箒を持って来た。 俺は箒を使って、窓を叩き割った。
/146ページ

最初のコメントを投稿しよう!

87人が本棚に入れています
本棚に追加