4人が本棚に入れています
本棚に追加
「次の授業遅れちゃうよ?」
「そうだった、瑞希も頑張ってね!」
移動教室のため瑞希と別れ、化学室へ向かった。
詳しくは教えてくれないが、瑞希は違うクラスらしい。
解放感溢れる放課後。アリスに任命された幸はまだ何もしてないな、と小言を言い帰ろうとしたその時だった。
[生徒のお知らせをします。
2年C組の有賀 幸さん、今すぐ生徒会室に来てください。繰り返します。…]
「えっ?」
突然、放送で呼び出された。
「何やらかしたんじゃねェの?」
「川上と一緒にするな。
それに、有賀はここに来て間もないから呼び出されるのはしょうがない。生徒会長も色々聞きたいことあるんだよ」
両脇の男子生徒が言う。
「っせ、余計な世話だ。それに吸ってねぇ」
「誰も煙草だなんて言ってないが? 墓穴掘って先生に見つかっても俺は知らない」
「るせー!」
左隣の男子の言葉に右隣の男子はキレ気味だ。
幸はそんな2人を心配しつつ、そそくさと教室を後にした。
「失礼しまーす……」
遠慮がちに生徒会室の扉を開ける。待っていたのは、一人の男子生徒だ。
最初のコメントを投稿しよう!