アリス、追いかける

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「次の授業遅れちゃうよ?」 「そうだった、瑞希も頑張ってね!」 移動教室のため瑞希と別れ、化学室へ向かった。 詳しくは教えてくれないが、瑞希は違うクラスらしい。 解放感溢れる放課後。アリスに任命された幸はまだ何もしてないな、と小言を言い帰ろうとしたその時だった。 [生徒のお知らせをします。 2年C組の有賀 幸さん、今すぐ生徒会室に来てください。繰り返します。…] 「えっ?」 突然、放送で呼び出された。 「何やらかしたんじゃねェの?」 「川上と一緒にするな。 それに、有賀はここに来て間もないから呼び出されるのはしょうがない。生徒会長も色々聞きたいことあるんだよ」 両脇の男子生徒が言う。 「っせ、余計な世話だ。それに吸ってねぇ」 「誰も煙草だなんて言ってないが? 墓穴掘って先生に見つかっても俺は知らない」 「るせー!」 左隣の男子の言葉に右隣の男子はキレ気味だ。 幸はそんな2人を心配しつつ、そそくさと教室を後にした。 「失礼しまーす……」 遠慮がちに生徒会室の扉を開ける。待っていたのは、一人の男子生徒だ。
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