アリス、追いかける

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「一体何に使うのかな? まさかみんなアリスになって白ウサギを捕まえる、なーんて」 「それはないよ。アリスは1人だけだから。アリスが2人いたらどちらか追放される」 ここの市民は誰でも知ってることだよ、とつけ足した。 「ねぇ、瑞希。頼みがあるんだけどいい?」 「いいよ。……もしかして白ウサギの在処?」 「よくわかったね。その通りなんだけど、私この辺あんまり分かんなくて」 「いいよ。付き合うよ」 快諾した彼女に感謝しつつ二人は学校を目指した。 放課後、改めてメールを見てみると、瑞希はあっさり場所を特定した。 「…………近所だ」 「え、本当!?」 「うん。この自動販売機は確かハート柄だよ。行こう」 瑞稀はそう言うと、幸の腕を掴み走りだした。俊足の彼女についていくのに引っ必死だ。 「速いよ~」 「もう、すぐ、だから」 そして、走って少ししたところで足が止まった。幸は勢い余ってぶつかった。慌てて謝るがあっさり許してくれた。しかし幸は瑞希が息切れしていないことには気づいていなかった。 目的地の草むらを指す。
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