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「おはよっ」
「……何で朝からテンション高ェんだよ」
テンション高めの幸を見るなり、右隣の川上 瑛太は俄然だるくなった。
「なんでって、アリスとしての自覚を持ったからよ。いいじゃん、朝から元気なのはいいことじゃない」
「そういうの見てっとだりィんだよ」
むー、と頬を膨らます。
「見ろ。お前の隣、涼しい顔しやがって」
見てみると、左隣の松山 直斗は2人には目をくれず黙々と勉強している。
「松山くんおはよー」
「ん?
あぁ、有賀か。おはよう」
それだけ挨拶を交わすと、再びノートに視線を移し勉強を再開した。
「ったく、相変わらず真面目でガリ勉だなァ」
「……授業サボって単位ギリギリの川上には言われたくない」
視線はノートだがしっかり話は聞いていたようだ。
「有賀は宿題終わったのか?」
「へ? 宿題?」
「数学であるだろ。教科書22ページの問題」
慌てて指定されたページを開き、ノートを確認した。既に書いてあった。
「やってある……。自分でやったかどうか忘れてた」
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