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「見つけられなかったらって、何があるのよ?」
疲労感と焦燥感でメールに愚痴をこぼす。余計に探す気が無くなってきた。
とりあえず状況報告で瑞希に電話してみた。
「もしもし瑞希?
なんか今、Mr.Jokerからメール来て、17:30までに探せって」
[…本当に?
探せなかったらどうなるの?]
「んー、そこで途切れてて分かんない」
[そう……。
こっちは全然見つからないよ……]
「やっぱりー。こんなの見つからないわよ。全く、Mr.Jokerも無茶言うわ」
[……もっと探してみるよ]
「うん。分かった。じゃあ切るよ」
ピッ、と電話を切った。途端ため息が出た。
「……もし見つからなかったら、どうなんだろう……。
「こんなアリスは要らない」って追放されちゃうのかな。てか私、なんでアリスやってるんだっけ」
壁にもたれながら天井に向かって呟いた。疲れと不安で動けない。
「あれ、そー言えば」
ふと、ひとつの疑問を思い出した。
「私がアリスってことは、他に誰か役持ちいるのかな?
アリスでしょ、白ウサギでしょ、あとは……」
指を折って考える。
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