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するとまたメールが来た。追伸のようだ。
【そうそう、そろそろ仲間を見つけた方がいいよ。今後探すのが楽になるからね】
「仲間? って???」
「アリスに例えるなら、チェシャ猫とか、そういうのじゃないか?」
直斗がそう言ったとたん、瑛太の肩が強ばった。それを幸は見逃さなかった。
「わかったぁ~。もしかして、川上くんがチェシャ猫役とか?」
まっさかー、と冗談半分で言ったが、彼は汗だくだ。
「バレてるぞ」
「おおお俺はそんな猫じゃねぇ! もっとこう、野蛮だ!」
「言ってる意味がわからないんだが。ちぐはぐだ。
それに、その腰につけてるキーホルダーでバレるだろ」
よく見ると、腰には紫色とピンク色の縞模様の尻尾みたいな大きめのキーホルダーがぶら下がっている。
観念したのか、自らバラした。
「なンだよ! 俺はチェシャ猫だ! 文句あんのか!?」
「何でキレてるんだ。
そうか……君がバラしたなら俺も言わないとな。
俺は帽子屋役を務めている」
「ちょ、ちょっと待って。話が急でついていけないっ」
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