アリス、挑まれる

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「私はアリス、瑞希は三月ウサギ、松山くんは帽子屋、川上くんはチェシャ猫。 ふぅーん」 「なんでそんなリアクションなんだよ」 「何かアリスの仲間って、結構身近なトコにいるんだなー、って思っただけ。 てことは敵も近くにいるのかな?」 ホームルーム前の朝の学校で、幸は両隣の席の直斗と瑛太とお喋りするのがすっかり日課となっていた。 「有賀、多分だけど今日も生徒会長から呼び出されるぞ」 「生徒会長って、マ……香野宮、さん?」 あぁ、と軽く首を縦に振る。 「有賀は、その人はどんな人か分かるだろ?」 知らない、と首を横に振る。 「……知らないのか。 うちの生徒会長の香野宮さんは、ここの市長の息子さん」 幸はひどく驚いた。1度しか会ったことないが、あんなに流暢に英語を話せる人がこの蘭度市の市長さんの息子さんだなんて。 「そんなに驚かなくてもいいだろ」 「いや、だって、うっそ、マジで?」 「まぁいい。 ……俺が言いたいのは、有賀がアリスに選ばれたのは必然だってこと」 直斗の発言に?マークを大量に浮かべながら、朝のホームルームが始まった。
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