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「失礼しまーす……」
朝、直斗に言われたことを思いだし、前回会ったときと違い背筋と指先を伸ばしシャキッとした。
「やぁ、ユキ。
How are you?」
「あ、アイムファインセンキュー」
英語で挨拶されたので英語で返した。
「ふふふ。ユキは相変わらず面白いね~。それとも緊張してるのかい?」
「あ、ははは……」
から笑いをするも室内に虚しく響くだけ。
「ところで、ユキは白ウサギ探しは順調かな?」
「え、……はい」
「ならよかった。
実は僕とMr.Jokerは知り合いだから、よくアリスのことでメールしてるんだ」
「そうなんですか……」
ぽかんとする幸をよそに、麻瑠駆はクローゼットから黄色いエプロンドレスを引っ張り出してきた。
「これ、君が着る服ね」
「え、これって」
「歴代アリスが着ていたんだよ。今度はユキの番だよ」
私が今着るの? と言おうとしたが遮られた。
黄色いエプロンドレスなんて初めて見たし初めて聞いた。ちょっとかわいいなと思いながら見ていると、後ろから声をかけられた。驚いてヘンな声を出してしまった。
「あっはは。Sorry.
試しに着てみるかい?」
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