アリス、挑まれる

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本当は着たくないが彼が期待する目でこちらを見てくるので、ブツブツ呟きながら生徒会室の奥の、棚やカーテンでしきられている小スペースに移動した。 着替えること数分。 幸はカーテンを開けた。 「Wow! So sweet!」 やっぱり、アリスにはこれが一番似合うね」 やっぱりすごく恥ずかしい。 恥ずかしさのあまり目を逸らしていると、側にある箱に目がいった。 「これって何ですか?」 「あぁ、これだね。これは靴だよ。Ordermadeなんだ。袋のはカチューシャだよ」 箱の中に入っていたのは先が丸く、茶色のピカピカに磨かれた靴だった。履いてみたくない? と半ば強引に勧められて履いてみた。ついでにカチューシャもつけた。 「Cute!」 sweetなのかcuteなのかどっちかはっきりしてほしいが、どうでもいい質問なのであえて言わないことにした。 その時、携帯が鳴った。 慌てて開くとMr.Jokerからメールだった。 「もしかしてMr.Jokerからかい? なら話は早い。早速だけど、今日からその格好で白ウサギを探してもらうよ」 幸はひどく驚いた。何でこんなロリータチックな格好で街中を歩かなきゃならないのか。笑われて恥をかく光景が浮かぶ。
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