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「あ…あ…アリス?」
彼女は幸をまじまじと見るなり驚愕と怒りが交じった。
「……貴女がアリスね。
まさか私(わたくし)を知らないとは言わせないわ」
「ユキ、彼女は女王役で生徒会副会長の高岡 真美子だよ」
麻瑠駆が横から挟んだため幸も真美子も驚いた。
女王と言われ、自分の役を思い出した。なるほど、そういうことか。
当然ながら厄介なことになるのはこの時から感じていた。早速幸を睨み付けてきたのだ。
「貴女、私の白ウサギになにするんですの?」
「へ? 白ウサギ?」
Mr.Jokerを探すことかな。でもそれはアリスとしてやらなければならないことなので、そんなこと言われてもどうしようもない。
「って言われても……えーと、そう言われましても、アリスの使命だから、どうしても探さないといけないんです」
「……首を刎ねられる覚悟がおありのようね」
「首!? 首って、この首だよね!? はねるって、まさか……」
できるだけ相手を刺激しないよう丁寧語を使ったが効果なし。
それにしてもこんな現代にギロチン制度があるなんて。信じられない、幸は軽くパニックに陥った。
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