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「…幸ちゃん、ちょっと」
寿美江は軽く手招きする。幸は耳を傾けた。
「翔がいないうちに言っておきたいんだけど、テレビでやってたんだけどあんたアリスになったんだって? おめでとう」
「ありがとう。で、今は白ウサギの身代わりのカードを探してるの」
そうかい、と納得すると、顔が強ばった。
「いいかい、今回の女王は今まで以上に警戒しなきゃならないからねぇ、十分注意するんだよ」
訳分からないまま頷いた。
しかし何故そんなことを祖母が知っているのか、そこには気づかなかった。
【やぁアリス。どうやら無事に見つけられたみたいだね。グレート!
この調子で僕を探してね。これから少しずつ難しくしていくよ!】
Mr.Jokerからメールが来たのは、こちらから送って数時間後、幸が風呂上がりの時だった。
それは夕飯時。
翔の携帯が鳴った。
「ちょっと行ってくる」
そう言って外の玄関に出た。
「はい、もしもし」
[遅いですわ。次からはベル3回以内には出てくれませんの]
「……申し訳ございません」
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