姫は喋らず

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 ̄ 「それで、仲直りすることが出来ました!!やっぱり相談してよかったです。ありがとうございました!!」 目の前の男は、照れながら嬉しそうに微笑んだ。 照れ笑いキターーー。 くそ可愛いな。 いまめっちゃ俺はキタ顔なのだよ。 その微笑みを見て、俺も笑った。 手に握るシャーペンを、ノートに走らせる。 [よかったね。僕も嬉しいよ。] そう書いて相手に見せれば、男ははにかんだ。 うんうん。 一件落着だね!! よかった、よかった。 男はふと時計を見ると、焦ったように立ち上がった。 「あ、すみません。このあと用事が‥‥。」 なんと。 仲直りした後のお約束と言えば‥‥。 [デートォ?] 「いや、あの、えっと‥‥はい。」 excellent!! 申し分ないよ。 頬を赤く染め上げる姿は、本当に可愛らしい。 相手が俺でよかったね。 俺じゃなかったら、襲われてるぞこら。 にやけてしまうは、気にしないでくれ。 [いってらっしゃあい!] 「はい。本当にありがとうございました!!」 男は深く頭を下げると、図書室から走り去った。 俺はそれを、手を降り笑顔で見送った。
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