姫は喋らず

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 ̄ 俺は、図書室の扉を閉めると小さく息をついた。 とりあえず笑顔が見れて、本当によかった。 おっと。 自己紹介がまだだったね。 俺としたことが、大変申し訳ない。 俺の名前は、佐藤うみ。 私立桜桃学園の二年生だ。 さっきのでわかったと思うが、訳あって喋れない。 性格は、見ていればわかるはず。 とりあえず、どの生徒よりもイイコだよ。 趣味は相談を受けること。 そして。 喋る子がいなくなると、一気に静かになる旧校舎の図書室が俺の住み処。 基本的、生徒は寮生活をしなくてはならないが、俺は特別だから許される。 寮生活も素敵な響きだが、ここもなかなかいい。 取り合えず、ここにしまわれる本はすべて俺の読みたい本。 とくに新刊は、まさしく俺の趣味だ。 何故、俺の意思で本が手にはいるかって? それは俺が特別だから。 まぁ、俺のことはこれぐらいでいいか。 聞きたいことがあったら、随時いってくれたまえ。 時間があるときに、ちゃんと答えさせてもらおう。
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