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新しい友達は、うみって言うんだ。
声が出せないらしい。
俺が二人を昼飯に誘った。
二人は食べ終わっていたが、俺は二人と一緒がよかった。
俺のお願いが通じて、一緒に飯をとっていると、二人がなんか騒いでる。
なんだよ、俺もいれろよ!!
そう思って、うみを見た瞬間。
心臓がぎゅって、痛くなった。
笑ってるうみが、すごく綺麗だったんだ。
自分でも顔が赤くなるのが分かった。
で、優人と仲良くしてんのがすげー嫌だった。
なんでだろ、仲が良いのはイイコトのはずなのに。
今度は胸が苦しくなった。
うみは呼んでんのに、返事してくれない。
悲しくて、何回か呼べばやっと、顔をあげてくれた。
でも、駄目だ!!
なんで、そんな顔してるんだよ。
小さく開いた口からこぼれる息が。
薄く染まってる頬が。
苦しそうに細められた目に滲む涙が。
俺の胸を、痛いほど締め付ける。
駄目だ。
友達なんかじゃない。
うみは、友達なんかじゃない。
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