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「終わらねぇ…。」
委員にさせられた次の日の放課後、協調性がないのかクラスメート達は遥香を残して、みんな帰ってしまった。
一向にはかどらない作業に苛立ちを覚えた。
「あっ。私そろそろ帰らなきゃ…。二人はまだ残るの?」
時刻は夜七時を回っていた
遥香は相変わらず暗く、無理やり明るく振る舞おうとする態度が見てとれた。
「私達はもう少しやらないと。まだ作業残ってるし」
奏は、なんだかんだ良くやっていた。手際がいいんだな。
………ん?
「私達?」
俺は引っかかっていた。
「どうかした?」
首を傾げ、こちらに目を向けてくる。
「私達って、まさか俺とお前か?」
「当たり前」
……即答されてしまった
「私だけにやらせるつもりだったの!?」
確かにそういう解釈になってしまうか
「だってさ。遥香。気をつけて帰れよ」
俺は自分が残ることを伝えると、遥香を見送った。
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