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夜。
それは闇が全てを飲み込む時間。今宵は星一つ無く、月も姿を隠す曇天。この世界の住人が仕事をするのには丁度良い。
仕事人は小糸椎名。
彼女の今回のターゲットは『ベルゼブブ』という通り名を持った羽川晴男(はねかわはれお)。
『組織』の裏切り者だ。
元は彼女の後輩に当たる人物であった。それ故、調査は雑作も無かった。
しかし、行方を追うのはいくら彼女といえでも多少骨が折れた。そこは一応『組織』の一員だった故だろう。
しかし、ベルゼブブは既に彼女の術中に嵌っていた。
『女郎蜘蛛・恋愛椎名(こいいとしいな)』の術中に。
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