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「糞……糞ダメだ」
ベルゼブブこと羽川晴男。
シックな黒いコートに身を包んでいる。だが、頭に付けてあるドデカイゴーグルがとても不釣合いだ。
彼は今とある営業を中止した寂れたホテルにいた。元はとある宗教団体が所有するホテルであったが、羽川自身の手によって潰されたホテルだった。故にここは今、羽川の隠れ家の一つとなっていた。
が、しかし羽川はそこでにっちもさっちもいかない状態となっていた。
彼は今、一階のロビーであった場所で立ち往生している。入り口から出て行く事は出来るのだが、しかしそれでは彼の目的が果たせない……。
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