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「分かってます。
ただ、中和剤は開発出来てないんです。
開発出来次第組み込む予定だったんです。」
佐藤常務は呆れた表情を隠さず言う。
「なるほどね。
彼の話しで10人以上いる事からおかしいとは思っていたが、今の話しで社長や賛成派が真っ先に逃げた理由が分かったよ。
で、お前は逃げ遅れたわけか?」
細野さんは黙ったまま、目を反らしている。
「このままだと、会社は終わるぞ。
お前もこのプロジェクトの責任者の一人だろう。
打開策を考えろ!」
佐藤常務が語気を強めて命令した。
「は、はいっ」
か細い声の返事が聞こえた。
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