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「神野くん。
彼は新薬研究所長の細野くんだ。
営業部とはほとんど関わりが無いから、初対面かな?
彼にさっきの話をしてやってくれ。
私はケガ人を見てくる。」
佐藤常務はカウンターから出て部屋の奥へ向かった。
“所長!”
また、役職アレルギーが反応してしまった。
「営業部の神野です!
よろしくお願いします。」
すぐに立ち上がり、お辞儀をしながら挨拶をした。
「よろしく…」
素っ気ない返事が返ってきた。
“あれ、かなり感じ悪いぞ?”
俺には思い当たる事は何もない。
多分、八つ当たりだろう。今まで培った第六感で感じ取った。
「あのぉ、何から話せばいいでしょうか?」
「あぁ、常務に話した事全部だ。
それと、なんか飲む物用意しろ。」
“出た~、上がいないと王様タイプ”
佐藤常務が離れた事で態度が豹変した。
「分かりました。」
急いでカウンターの中に入り、ウォーターサーバーからグラスに水を注ぎ、カウンターに置いた。
「みずぅ~、おいおいふざけるなよ。
酒とは言わんが、何か違う物あるだろ~」
周りに聞こえない位の声で注文をつけてきた。
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