【14:40】21F来賓室

16/25
5126人が本棚に入れています
本棚に追加
/770ページ
「神野くん。 彼は新薬研究所長の細野くんだ。 営業部とはほとんど関わりが無いから、初対面かな? 彼にさっきの話をしてやってくれ。 私はケガ人を見てくる。」 佐藤常務はカウンターから出て部屋の奥へ向かった。 “所長!” また、役職アレルギーが反応してしまった。 「営業部の神野です! よろしくお願いします。」 すぐに立ち上がり、お辞儀をしながら挨拶をした。 「よろしく…」 素っ気ない返事が返ってきた。 “あれ、かなり感じ悪いぞ?” 俺には思い当たる事は何もない。 多分、八つ当たりだろう。今まで培った第六感で感じ取った。 「あのぉ、何から話せばいいでしょうか?」 「あぁ、常務に話した事全部だ。 それと、なんか飲む物用意しろ。」 “出た~、上がいないと王様タイプ” 佐藤常務が離れた事で態度が豹変した。 「分かりました。」 急いでカウンターの中に入り、ウォーターサーバーからグラスに水を注ぎ、カウンターに置いた。 「みずぅ~、おいおいふざけるなよ。 酒とは言わんが、何か違う物あるだろ~」 周りに聞こえない位の声で注文をつけてきた。
/770ページ

最初のコメントを投稿しよう!