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「ふざけるな!」
俺はカウンターを飛び越え、細野所長に飛び掛かった。
《バターン》
《バリーン》
《バキッ》
飛び掛かった勢いで細野所長は椅子と一緒に倒れ、テーブルの上にあったグラスも割れた。
「ウギャアアアア」
細野所長は情けない叫び声を上げている。
「俺だけで行って来いだと」
倒れた所長に組み付き、拳を振り上げた。
「折れたぁ」
“えっ”
「う、腕がぁ。折れたぁ」
右腕を抑えて叫んでいる。
“ヤバイ”
あれだけの怒りが一瞬でさめ、焦りに変わった。
「あ、あの大丈夫ですか?」
「大丈夫なわけあるかぁ。
医者だ、医者ぁ。」
“そんな都合よく医者がいるわけないだろぉ”
そう思ったが、うちの商品&極秘会議&財前院長が頭の中で揃った。
“いる。絶対医者はいる。”
そう確信し、ソファーの方を向いた。
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